変態王子と笑わない猫1/さがら総

変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)

変態王子と笑わない猫。 (MF文庫J)

建前ばかりを気にしてしまう少年とすぐにもれてしまう本音に悩む少女が笑わない猫像に自分の建前と本音をあげてしまう。
それによって本音を垂れ流しにして

お供え物を上げることで自分のいらないものをもらってくれる笑わない猫像。
その猫像へ自分の建前をもらってもらい、自分の本音を垂れ流しにしてしまった少年と自分の本音をもらってもらい感情を表に出すことができなくなた少女が自分の建前と本音を取り戻すために奔走するお話。

いつも変態的なことばかり考えている主人公横寺陽人が建前を取り除いてもらったことで、水を得た魚のごとく変態なことをところかまわず垂れ流す。よくもまぁそこまでって勢いで素晴らしい。そしてつけられたあだ名が『変態王子』なかなかもらえるもんじゃないぜそんな称号。でもまぁ、そんな妄想誰でもすかなからずするよね?

そんな横寺と同じく自分の本音を猫像へあげてしまった筒隠月子と自分の失われてしまった建前と本音を取り戻すために建前と本音をもてあましている人を探すわけですが、二人のやりとりが楽しい。変態なことを垂れ流す横寺を無表情であしらう筒隠、そのうらでは恥ずかしがり屋の筒隠がちょっとした描写からどんな表情でいるのかなと想像していくとニヤニヤがとまりませんでした。

もう一人のヒロイン小豆梓。自分に自信をもてず建前で自分を覆っていた梓。完璧お嬢様に見えてどこか抜けている彼女がとてもかわいかった。最後には見事恋する乙女に変身し

衝撃のラスト。マイナス展開から一挙にもってかれる展開に笑わせてもらいました。何か隠しているんだろうと思っていた月子の姉、つくしが予想以上でびっくり。でも、とってもいい終わりでした。

建前と本音という感情がテーマとなっていて、自分の本音をぶつけて真正面から行く横寺は素敵でした。
月子と壮絶なヒロインへと変身をとげた梓との三角関係がどうなっていくのか2巻が楽しみです。